リスク管理

2022年8月29日

リスク管理の基本的な考え方

経済・金融の各種商品やシステムの複雑化と高度化が一段と進展し、IT技術の進歩が社会に大きな変革をもたらすようになった今日、JAを取り巻く経営環境は急速に変化しています。また、規制緩和の進展により、業態を超えた提携や異業種からの金融業務参入など、競争がますます厳しさを増しています。そのため、JAが抱えるリスクはかつてないほど大きく幅広いものとなっています。
JAが抱えるリスクには、信用リスクや市場リスクのように経営環境によるリスクと、事務リスクや情報資産リスクなどのように業務活動に伴い必然的に発生するリスクとがあります。JAは、とるべきリスクと回避すべきリスクとを的確に見極めて、安定的な経営を確保する必要があります。
当JA埼玉ひびきのでは、JAバンクの基本方針に基づく「モニタリング」の実施や「各種のガイドライン」等を定めて内部統制を強化しています。
また、これらのリスクを総合的に管理、コントロールすべく、経営層をメンバーにした各種の委員会・会議等で組織横断的な協議ができるリスク管理体制としています。
このように、当JAをご利用する皆様が安心してお付き合いいただけるJAをめざして日々リスク管理態勢の向上に努めております。

リスク管理体制

当JA埼玉ひびきのでは、各種委員会・会議等でリスクの状況を検証するとともに、リスク管理・運営に関する方針を審議し、理事会で決定しています。
また、信用リスク管理の充実を図るための総合審査室を設置するとともに、情報セキュリティー委員会を設置し、オペレーショナルリスクへの対応強化を図っております。

金融商品にかかるリスク管理体制

ア.信用リスクの管理

当組合は、個別の重要案件または大口案件については理事会において対応方針を決定しています。また、通常の貸出取引については、本店に資金運用課(融資審査部署)を設置し各支店との連携を図りながら、与信審査を行っています。審査にあたっては、取引先のキャッシュ・フローなどにより償還能力の評価を行うとともに、担保評価基準など厳格な審査基準を設けて、与信判定を行っています。貸出取引において資産の健全性の維持・向上を図るため、資産の自己査定を厳正に行っています。不良債権については管理・回収方針を作成・実施し、資産の健全化に取組んでいます。また、資産自己査定の結果、貸倒引当金については「資産の償却・引当基準」に基づき必要額を計上し、資産および財務の健全化に努めています。

イ.市場リスクの管理

当組合では、金利リスク、価格変動リスクなどの市場性リスクを的確にコントロールすることにより、収益化および財務の安定化を図っています。このため、財務の健全性維持と収益力強化とのバランスを重視したALMを基本に、資産・負債の金利感応度分析などを実施し、金融情勢の変化に機敏に対応できる柔軟な財務構造の構築に努めています。
とりわけ、有価証券運用については、市場動向や経済見通しなどの投資環境分析および当組合の保有有価証券ポートフォリオの状況やALMなどを考慮し、理事会において運用方針を定めるとともに、経営層で構成するALM委員会を定期的に開催して、日常的な情報交換および意思決定を行っています。運用部門は、理事会で決定した運用方針およびALM委員会で決定された方針などに基づき、有価証券の売買やリスクヘッジを行っています。運用部門が行った取引についてはリスク管理部門が適切な執行を行っているかどうかチェックし定期的にリスク量の測定を行い経営層に報告しています。(市場リスクに係る定量的情報)
当組合で保有している金融商品はすべてトレーディング目的以外の金融商品です。当組合において、主要なリスク変数である金利リスクの影響を受ける主たる金融商品は、預金、有価証券のうちその他有価証券に分類している債券、貸出金、貯金及び借入金です。
当組合では、これらの金融資産及び金融負債について、期末後1年程度の金利の合理的な予想変動幅を用いた経済価値の変動額を、金利の変動リスクの管理にあたっての定量的分析に利用しています。
金利以外のすべてのリスク変数が一定であると仮定し、当事業年度末現在、指標となる金利が0.4%下落したものと想定した場合には、経済価値が31,768千円減少するものと把握しています。
当該変動額は、金利を除くリスク変数が一定の場合を前提としており、金利とその他のリスク変数の相関を考慮していません。
また、金利の合理的な予想変動幅を超える変動が生じた場合には、算定額を超える影響が生じる可能性があります。

ウ.資金調達にかかる流動性リスクの管理

当組合では、資金繰りリスクについては、運用・調達について月次の資金計画を作成し、安定的な流動性の確保に努めています。また、市場流動性リスクについては、投資判断を行う上での重要な要素と位置づけ、商品ごとに異なる流動性(換金性)を把握したうえで、運用方針などの策定の際に検討を行っています。

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